第十二話 E社

イメージ的にはD社とE社って似てると思ってた。
どちらも楽しい瞬間をEnjoy!って感じで。

 

E社のイメージってすごくアメリカンな感じで、
笑顔はじける!みたいな。

 

そんな中で私が携わる仕事があるなんて、幸せすぎ!!!!

と思っていました。

 

が、一日目。

研修を終えて、デスクのあるフロアへ案内されると…。

 

そこはよく90年代の漫画で見るような、
物があふれて雑多な雑誌編集部のデスクのような…
なんていうかこ汚いし、何しろ、窓がない。

 

今まで働いてきた会社はどれも漏れなくオフィスに不満はなかった。
多少、もっと周りにランチできるとこあればなーとか、そういうことはあったけど、
オフィスそのものや、設備に関してとくに嫌なことはなかった。

 

でも、E社のオフィスは、入るなり

 

「嫌…ものすごく嫌」

 

と感じてしまった。

 

D社の一日目に違和感を感じたのとは比にならないくらい、
本当に生理的ともいうくらい嫌だった。

 

でも、慣れるだろうし、楽しい人たちに囲まれながら働ければきっと目をつむれる!

と思っていたのですが。

立て続けに、上司を役職で呼ぶ文化。
新しいやり方、考え方へのあからさまな拒否反応。
なにより上司への絶対服従

 

うそでしょ…。

 

だって、会社のイメージ全然違うじゃん。
もっとオープンで、クリエイティブで、楽しくて…。

 

 

ガタガタガタガタって音が聞こえそうなくらい

イメージが崩れ落ちた。

 

 

なんとかこれから先のE社での仕事を楽しもうと、
なんとか前向きになろうと、
とにかく無駄にいろんな人に話しかけ、
仲良くなれたり、前向きになれるヒントがないか毎日探した。

 

でしゃばりすぎないように、
でも自分が入った意義を見せなきゃいけないから、
常に新しい提案もして。
同時に、どうやってきたのか教えてください、という姿勢ももって。

 

私なりに、がんばりました。